葬儀マナーコラム vol.2 熨斗袋のマナー
須高安楽院で館長をさせていただいております、花島 淳と申します。
ちょっとした豆知識が少しでもお役に立てば、という事でペンを執りました
というより《今ではキーボードを叩く》が正解でしょうか?
熨斗袋についての基本知識
「熨斗袋」と「金封」の違い
今回は「熨斗(のし)袋」について少しお話します。
一般的にのし袋といえば、種類に関係無く意味が通ってしまいますが、正確には
金封(きんぷう)といいます。【金銭を贈る時に金銭を納める封筒、または折り紙】
祝儀袋、不祝儀袋、熨斗袋、香典袋、慶弔袋などとも呼ばれます。
水引の色の意味
金封には水引が付き物で、水引の色の事でたまに質問を受けます。
古くから日本では、祀り事には格式の高さが関係し、冠婚葬祭の中では婚礼が最も格式が
高く、弔事が最も低いといわれています。
水引の色もこの考え方が起源であり、色合いは左から
金 ・ 銀 ・ 紫 ・ 赤 ・ 藍 ・ 黄 ・ 黒
の順に格式が高いです。
地域による熨斗袋の慣習
長野・北信地方の金封慣習
長野・北信地方で平均的な考えは、通夜~葬儀~忌中までは「黒」で、四十九日(忌明け)
から「黄」が一般的です。喪家に「赤白」は常識的に渡すことは無いと思われそうですが、
まれに通夜で赤白の水引で〈お見舞い〉の表書きの金封を目にすることがあります。
生前入院中にお見舞いに行けなかった事への気持ちの表れで、地域の慣習です。
(調べてみると全国的に珍しく、長野独特みたいです)
葬儀の際のお寺への金封
ちなみに葬儀の時にお寺さまへ渡す金封は「双銀」の水引です。
※金封は「袋」「熨斗」「水引」で成り立ちますが、お寺へ渡す金封に「熨斗」は付けません、
不祝儀袋全般に「熨斗」は付かない場合が多く、購入の際に注意してみて下さい
宗教や地域による金封の違い
他にも神式、キリスト教、無宗派での金封、表書きの方法、地域の慣習、作法など
ここに書ききれない事柄がたくさんあります。
習慣の意味を知り、考えることは大切ですが、最も大切なのは、その方を思って
お悔やみの気持ちからお供えすることだと思います。